Q 遺言書を書いてもらうにはどうしたらいいでしょうか?
A 遺言書でよくある相談が、「父親(や夫)に書いてもらいたいが、なかなか応じてくれない」「怒られそうで話を切り出せない」といった、周りの人が悩んでいるケースです。
「生きているうちから死んだことを考えるなんてとんでもない」、「俺を殺す気か」、という声が聞こえてきそうですよね。
遺言書を書いてもらうには2つポイントがあります。
- 遺言書は「遺書」ではないこと
遺言書を、亡くなる直前に書く「遺書」と同じイメージを持っている人がいます。確かに遺書は最期のメッセージですが、法的な効力はありません。逆に遺言書は自分の持っている財産をどう扱うかを決める法的な文書です。財産を持っている以上は、ある意味遺言書を作る責任があるとも考えられます。そのことをまず理解してもらう必要があります。
- 遺言書を作ることはそんなに難しいことではない
遺言書やエンディングノートを書いている人はとても増えています。いまや10人に1人は何らかのものを遺しているといわれています。
自分で書く「自筆証書遺言」は、最近「遺言書キット」などが書店で売られていますよね。
3つのポイントを押さえれば、比較的簡単に作成することができます。
(1) 全部自分の手で書くこと
(2) 明確な日付を入れること
(3) 住所・氏名を記載して、できれば実印を押しておくこと
これで法的には有効な遺言書は出来上がりです。
ただし紛争を未然に防いだり、税金のことが絡んでくる場合は専門家の指導の下で公正証書遺言で作成することが望ましいです。後のことを考えない遺言書があることでかえって紛争が激化したり、思わぬ請求を受けることもあるからです。複雑になりそうであれば、周りの人がある程度作ってあげることで、大変さを軽減してあげることも必要ですね。
遺言書を書いてもらうため、以下のようなことをお話ししてきっかけを作ってみてはいかがでしょうか?
①下書きを用意しておき、ご本人に書き写してもらう。
②配偶者や家族に対する感謝の気持ちを書いてもらう。
③書けば気持ちがすっきりするので、だまされたと思って書いてほしいとお願いする。
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