委託者とは
Q1. 委託者はどのような権利があるか?
委託者は、民事信託を設定する場面では ① 財産を拠出し② 信託目的を設定する重要な人物です。
主に以下の権利が与えられています。
- 信託の変更・併合・分割については委託者を交えた信託の当事者の合意が必要です(法149、151,155,159条)
- 委託者と受益者の合意により信託をいつでも終了させることができます(法164条)
- 信託行為の当時予見できなかった特別の事情による信託の変更・終了を命ずる裁判を裁判所に求めることもできます(法150、165条)
- 受託者を解任することができます(法58条)
Q2. 委託者が亡くなった場合どうなるのか?
相続によって効力が発生する遺言信託以外の場面ではその地位が相続されます。委託者に相続が発生することによって、信託自体を終了する旨をあらかじめ定めておくことも可能です。
Q3. 具体的にどんな人がなるのか?
民事信託は、儲けを目的にしないことが多いので、純粋に財産の管理運用を自分以外の誰かに託したいというニーズから始まります。
具体的には以下のような人です。
信託する財産(不動産や金融資産)を持っている人
財産のゆくえ(管理運用方法)を決め、信頼できる人に財産を託したい人
Q4. 何のために信託するのか?
今後の財産管理に不安があったり、財産に想いを載せ代々引き継いでもらいたい場合に、民事信託の仕組みはその力を発揮します。
Q5. 委託者の意思が変わったらどうなるのか
信託行為の中で意思が変わった場合にどういったことができるかを定めておくことは可能です。民事信託はとても自由な設計が可能ですので、後々自由に変更できるように定めておくこともできますし、逆に変更ができないようにしておくこともできます。
Q6. 受託者の変更ができるか
受託者が任務をきちんと遂行しなかったり、受託者が暴走し信託の目的が達せられないなどの事情が生じることもあり得ます。その場合は委託者は受託者を解任し、変更することができます。