成年後見制度を利用すると、簡単に財産を動かすことが出来なくなると聞きました。

実際はどうなるのでしょうか?

成年後見制度を利用すると、本人の財産は家庭裁判所の監督下に置かれ、投資や無償譲渡など、本人の財産が減少するような行為は基本的には出来なくなります。

もともと成年後見制度が本人の財産を守る制度である以上当然と言えば当然ですね。

ただ、杓子定規にこれを適用すると、本人や本人の家族が不利益を被ることになることもあります。
具体的には以下のようなケースがあります。

①生前贈与

相続税対策などでよく利用されますが、本人の財産が減ることになりますので、基本的にできなくなります。

 

②保険契約

火災保険、損害保険は、本人の利益のためであれば可能ですが、生命保険は通常遺された家族のために保険金が支払われますので、新規に契約することは難しくなります。

 

③自宅の建て替え

自宅が老朽化して地震などの際に危険だということであれば、建替えることはできます。

しかし、賃貸併用住宅を建てる場合はかなり制限があります。

 

④土地の無償貸与

親族にタダで土地を貸し、そこに建物を建てることはよくあると思いますが、これも基本的にはできません。

ただし、親族が地代を払うなど、本人の利益になるものであれば認められる可能性もあります。

 

⑤不動産売却

自宅を売却する場合には家庭裁判所の許可が必要になります。

金額の妥当性や本人の居住場所の確保など、本人に不利益がないように厳格に審査されます。

収益物件などの居住用ではない不動産の場合は、自宅ほど厳格ではありませんが、価格の妥当性などは求

められます。

 

いかがでしょうか?最近は成年後見制度の不都合な点に関する相談が増えています。

ただし成年後見制度は始まってしまうと後戻りができません。

ご家族みんなで本当に後見制度が必要なのかどうかをきちんと考えていくことが望ましいですね。

 

 

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